2014年01月21日

二郎君

私が小学一年の頃、同じ歳に二郎君と言う名の男の子がいた。

二郎君は、お母さんに似たのか
『よく見ると』凛々しい男前な子だった

何故、よく見ないといけないかと言うと…

髪が伸びっ放しで、いつ櫛でといたの?と聞きたくなる髪は、鬼太郎のボサボサバージョンヘアースタイルだった
きちんと手入れをしていれば、とても黒く艶やかで真っ直ぐな髪をしているんだろうな

伸びっ放しの前髪の隙間からのぞく瞳も、黒く二重の大きな目をしていた


制服は汚れていて、酸っぱい臭いがした
靴もバレーシューズも、とてもきゅうくつそうに指の部分が盛り上がって所々破れていた


無邪気に虐める悪ガキ達も、てがえない程の存在だった

二郎君には妹がいた。
まだ1歳位で、ヨチヨチ歩きの妹は
真冬に裸足で道路を歩いてた
妹の紙オムツは、何回分のオシッコを収めているのか、黄色くパンパンに膨れ上がりウンチも足の間から溢れ出していた

口の回りに沢山の物をこびりつかせ
柔らかそうなクセのある髪には、何かが絡みつき
それでもクリクリの可愛い目で、ニコニコ笑う顔は
絵本に出てくる天使そのもだった

一度、二郎君の家を一人で見に行った
大きな煙突のあるゴミ収集所?の横に、小さな小屋があって
その横で、これまたダイナミックにボサボサ頭で、真冬に季節感を感じさせない薄手の服装の女の人が立っていた
目を見たら、二郎君にソックリな目をしていて、お腹が大きくなっていた

家で二郎君の話しをすると
母ちゃんが乗り込んで行った

お風呂に入れてあげなさいって言うと
風呂が無いと言った
銭湯に行きなさいと言うと
お金が無いと言った

二郎君のお母さんに怒る母ちゃんに
二郎君は、「オレの母ちゃんを虐めるな」って怒った


多分、今で言う【ネグレクト】って言うんかな…
でも、一緒に住んでたし多分ご飯も食べてたから違うか
お母さんが『清潔な環境』を、子供達に与えてないだけ

子供は、親を選んで生まれてくるって言う人居てるけど
綺麗事やなぁ~って思う
やっぱ、親は選べやん!


二郎君は、二年生にナル前に
お母さんが再婚して転校して行ったけど
幸せになったかな…



Posted by らいず at 13:43│Comments(0)
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